Dreams of Brandy

二十歳になったらまず何がしたい?
と、聞かれたら、僕はこう答える。

「お酒が飲みたいです」と。

単にお酒が飲みたい訳じゃない。
僕は子供の頃から秘かに決めていたことがある。
二十歳になったら、最初に一番大切な人に一番美味いお酒を一杯注いで貰うこと――。
そこまで言うと貴方は笑って、

「そうか。そいつは贅沢な儀式だ」

と、言って、大きくて柔らかな掌で頭をくしゃくしゃと撫でた。
そう。
これは贅沢な願いなのかもしれない。だけど・・・・・・・


早く。
早く大人になりたいな。


大人になっても、
ずっと、一生、
僕は貴方の傍にいます。
命に替えても、貴方をお守りします。


この誓いを貴方のお気に入りのブランデーで交わしたいんです。


「じゃあ、その時は是非お相手させていただきたいねぇ・・・」


ええ。もちろん。
だって、僕の大切な人は貴方しかいないんですから。


ユリアン君13,4歳頃。まだ艦隊の中に居ないころに思ったこと。
彼は誰よりもヤン提督を大事に思っているんです。大好きなお養父さんなんです。
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