悪友の友人

華美な服装の貴婦人が通り過ぎる。
その手には宝石をあしらった金の煙管が細い白煙をたなびかせている。
席でコーヒーを飲んでいた彼等は眩しそうにそれを見送った。


「・・・煙草を吸う女は好きじゃあないな」


ポツリと零した男の言葉を、友人が素早く拾い上げる。

「同感だ」

「えっ」


驚いて視線を貴婦人から友人に移した。その反応に向かいの席に座っている男も倣う。

「そんなに意外か?」
「ア・・・いや、卿がそういう目でも女を見ていたのだなぁとつい感心してだな・・・・・・」

友人は苦笑まじりに、

「俺だって男だ。どんな女でも・・・という訳にもいくまいよ」
「―つまり品定めってことか。・・・・・・タチの悪い男だ」

すると彼は苦笑を悪戯めいた怪しい微笑に変えて、言う。

「タチが悪くて結構。だがそんな男と長年付き合っている男も、相当タチが悪いと思わんか?」
「卿と一緒にせんでくれ!」

と、半ば怒鳴るように言い、ふて腐れる彼を見て男は珍しく声を上げて笑ったのだった。

え〜何かこう仲良しな双璧が書きたくて思いついたのがこんなん。
ロイエンタールは軍人だし、やっぱ様々な女に言い寄られてもそういうの気にしてそう。
多少なり節操はあって欲しいと思う。あ。ミッターマイヤーは絶対嫌って言うよね。


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