プレイボーイ主義

「ポプラン中尉」
オペレーターの女性が、こんなことを言った。
「どうか、生きて還ってらして―」










スパルタニアンに乗る際も、彼は少しふて腐れた表情をしていた。
「なんだい。珍しく機嫌が良くないな」
と、声を掛けてきたのはコーネフ中尉だった。
「女のコにフラレちゃったかい?」
「バカ。んなわけないだろ」
ポプランは先ほどの台詞について、同僚に話した。
「・・・それがどうかしたのかい?」
無論、コーネフはけろりとして訊く。
「どうって・・・嫌じゃないか?」
「どう『嫌』なんだよ」
「・・・・・・・何となく」
それを聞いたコーネフは思わず噴き出した。
「笑うなよ」
「だって・・・まるで子供だ」
「だーから笑うなって! つまりだな! ・・・・・」



彼女の言葉を聞いたとき、ふと、昔付き合っていた女性にも似たような事を言われたのを思い出していた。




―死なないで・・・・・・・・・・・・・・




「君のこと思って言ってくれてるんじゃないか」
「ん〜わかってるさ。でもさぁ・・・」
「でも・・・何?」

出立の時刻が刻一刻と迫ってきている。

「・・・重いんだよなーそういうの」

あちらにしてみれば単に恋人の無事を願って、体は離れた所にあるけど心は常に貴方と一緒よ―なんて考えてるんだろうけど・・・。

「とんでもない」
君らは戦ったことがないからそんなことが言えるんだ。じゃあ聞くが、人を殺したことはあるかい?
憎んでいたり、恨んでいた奴を殺すのとは違うんだぜ―?

俺たちはそういう生半可な動機で戦っているんじゃない。
きっと、君らには一生かかってもわかるものではないし、わかって欲しくもない。

君らが俺を思って遠い場所から祈ってくれるのは構わない。有り難いとも思う。
だけど、俺が君らを思って戦うことは今後も一切ないだろう。


なぜなら「俺が生きる理由」は「俺のため」なのだから―。





そう簡単にくたばってたまるもんか。
生きるさ。


愛する我が永遠の天使たちの加護がある限り、



俺は生き続ける。



ん〜・・・とりあえず色んな女の子と付き合いする彼だけど、その子達を思って戦ってるワケではないのね。
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